博多・冷泉地区(旧冷泉小学校区)まちづくり戦後史 1945〜2007


福岡大空襲と終戦
福岡進駐と接収統制
戦後復興計画
商店街・歓楽街の復興
町世話人制度
博多祇園山笠と地域住民
博多松ばやし・おくんちと住民
昭和30年代のにぎわい
町界町名改正・流存続の危機
自治連合会の発足
博多駅の移転
店屋町界隈の変化
市内電車の廃止と地下鉄登場
櫛田神社と冷泉地区
地域教育
冷泉小学校の統廃合
地域の活動(運動会・成人式etc)
昭和から平成へ
町世話人制度廃止と自治協発足
地域の課題と未来


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博多・冷泉地区の戦後と自治連合会40年のあゆみ
戦災復興計画
生活インフラ整備と都市計画、
自力復興もはじまる。

 焦土からの復興はまず住居確保と食糧危機との戦いであった。冷泉地区でも約半数が罹災し、壕舎や仮小屋で雨露をしのぐという被災者も少なくなかった。終戦直後の都市復興は緊急を要する市街地の清掃と上水道の漏水防止などの生活インフラの応急工事から始まった。
 住宅復興については、福岡市は応急簡易住宅を須崎裏や東公園などに建設するなど対応したが戸数は3百戸と全く足りない状況であった。市民による自力再建意欲が復興を支え、22年5月には4千8百戸の再建のうち、実に3千6百戸が自力建設であった。
 また昭和20年の稲作は夏の冷害、秋の台風被害に肥料不足が重なり明治以来の大凶作、米の収穫は平年の6割という状況だった。そのため翌21年の主食配給は六月から遅配、欠配が始まり福岡市は食糧危機対策本部を設置し対応したが、絶対量の不足から状況はさらに悪化。少ない配給に耐えかねた市民は空地を利用して家庭菜園を作ったり、直接農家へ赴き物々交換によって食糧を手に入れるのが日常となり、この状況が昭和22年暮れまで続いた。
↑落石栄吉著「戦後博多復興史」(福岡市復興土地区画整理はじまる195頁)より引用、
冷泉公園や清流公園、中島公園の計画が載っている。
 都市復興計画については戦後直ちに被災地域の実測等が行われたが、政府が戦前の都市計画すべてを見直し、新たな構想のもとに復興都市計画事業を進める基本方針を決定したことを受けて、福岡市は22年1月に復興部を新設。復興計画の基幹となる都市計画街路と区画整理区域の決定を行い、公園緑地計画や地域地区の決定へと進んだ。
 冷泉地区の街路では、50メートル幅員の博多駅と博多港を結ぶ縦軸の博多駅築港線(大博通り)、横軸の新設博多姪浜線(昭和通り)、国体道路が重点的に着工。地区内の仮換地の指定や、建物、墓地、電柱などの移転、街路の拡幅または新設が次々に行われた。同様に現冷泉公園から櫛田神社、国体道路へと続く土居通り一帯、下新川端から上川端へ続く道路も順次拡幅、横筋の大博通りから上川端へと続く新設道路は旧赤間町や厨子町を分断し、大乗寺前町を突き抜けた。店屋町・川口町から明治通りへ続く各道路もこの時期に貫通している。
↑表門前の大鳥居後退作業(昭和33年6月)落石栄吉著「戦後博多復興史」より
 計画道路で最も地域と市側で折衝が続いたのは、旧土居町電停角から岡側の櫛田神社前から国体道路へと続く現土居通りであった。中でも櫛田神社前は昭和21年計画案で神社境内には掛からないものの、拡幅工事は移転前の北楼門角を起点に、表門前やギナン樹前をギリギリまで削られる計画であったものを、翌22年春の案ではさらに神社境内まで拡幅されるなどで地元は猛反対。いずれにしても大鳥居や大石灯籠、大絵馬堂、社号標の場所がなくなるため、各流れ挙げての猛反対運動へと展開。23年末に2回目の陳情書から請願書に切り替えて再提出するなどしたが、案のまま24年2月に仮換地の指定通知が届いた。27年には「区画整理地区域外に除外の請願書」を提出し、一部採択されるも、同年は11月の式年下遷宮、翌4月の上遷宮開催により一時休戦となる。
 その間に櫛田神社の納屋宮司は「ぎなん樹」を天然記念物に指定方を申請、29年4月に「県の天然記念物」に指定され、この結果ぎなん樹保存は根元から2メートル以上の空地がなければ生育が無理だとの現地調査の見解を盾に市当局と折衝を重ね、ぎなん樹前などの拡幅を15から13メートルへと縮める案で決着したのである。昭和33年、北門前にあった大石灯籠は冷泉公園に移設された。
↑復興都市計画で昭和30年に完成した冷泉公園写真は地域住民による清掃風景(昭和41年)

↑落石栄吉著「戦後博多復興史」
(博多総鎮守櫛田神社169頁より引用)



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