オールド観光案内図コレクション/鹿児島県
鹿児島市「鹿児島市鳥瞰図」
吉田初三郎 画 鳥瞰図サイズ:770×177mm
発行:鹿児島観光協会・昭和10年4月30日・表面カラー刷/裏面1色刷・印刷折本




ヌ拡大図はこちら 大正広重と呼ばれた鳥瞰図絵師・吉田初三郎作。昭和7〜8年頃より写真製版技術が向上し、より原画(絹本彩色原画=日本画)そのままの濃淡やボカシ表現が可能となった頃の作品。印刷技術の最先端を常に導入していた初三郎らしく、紙質や印刷インキも最高級のものを使用しており、70年以上が経過した現在でも全く退色が無い。この後、蘇工画室の解散や戦時下への突入が重なり、良質の紙の確保も困難となっていくため、構図や仕上がりなど最も洗練された初三郎作品のひとつである。
 原画はまだ確認されていないので、所在をご存じの方はご一報を。昭和25年の戦後作(こちらは原画あり)との比較も面白い。この図が完成した当時の新聞記事には、その後に開設される空港をはじめ都市計画までが詳細に描かれていることに感嘆の念が記されている。

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